静寂を大切に 1196


「静寂」の意味は、『静かでひっそりしていること』です。
映画館の中、電車やバスの中、病院の中、講義中の教室の中などでは、静寂が必要です。

1人で、ゆったりとした時間を過ごす時も、静寂が必要です。
静寂が必要な場所で、大声を出したり、騒いだりすることは、周りの人の迷惑にもなります。

ここで、「静寂」について、考えさせる話を、紹介します。

この喧噪(けんそう)の現代社会において、「静寂」は、お金を払って買うものである。
高い料金でグリーン車に乗るということは、つまりは、そういうことであろう。

・・・なのに、今、俺の前では、子どもたちが、大騒ぎをしている。
まったく、親は、どういう教育をしているのだろう。
しかし、考えてみれば、子どもたちも被害者だ。

「叱られる」というチャンスを、奪われたまま成長していく。
そういう子どもが、大人になって、ちょっと怒鳴られるだけで、心が折れてしまう。
私は、彼らのために、愛情をもって怒鳴った。

「うるさい! 静かにしろ!」
「ここは、グリーン車だぞ! 静かに座っていろ! お前たち、子どもは・・・」

子どもたちが、萎縮し、押し黙る。
沈黙が流れる。
すると、私たちの座席の後ろから、誰かが、ぼそっとつぶやくのが聞こえた。

「あんたのほうが、うるさいよ。大人なんだから、ちょっとは落ち着けよ。こっちは高い金を払って、グリーン車に乗っているんだから、勘弁(かんべん)してくれよ」

静寂の大切さを理解しているなら、子どもたちには、そっと優しく、小さな声で、注意をするでしょう。
周りの人のことに配慮を欠き、自分の感情に流されて、大声で叱ってしまうのです。

静寂が必要な場所・場面では、静寂を大切にしましょう。
状況に合った適切な言動が、できるようになりたいものです。

2025年05月30日