「あおいくま」でたくましくなろう 630


ものまね芸人のコロッケは、熊本県出身です。
若い頃熊本の繁華街では、引く手あまたの有名人でした。

しかし、初めて上京したときに芸を見てもらったタモリと赤塚不二夫の評価は「うまいけど、面白くない」でした。
その後努力の甲斐があって、ヒット芸は偶然に生まれました。

野口五郎のLPレコードをかけたところ、回転数を間違え、早回しになりました。
これに合わせてものまねしたところ、客は大受け。
大事なのは上手にまねることではなく、特徴を面白く見せることなんだと確信し、芸を磨き続けました。

1980年、日本テレビのオーディション番組「お笑いスター誕生!!」に出場し、岩崎宏美「シンデレラ・ハネムーン」、ちあきなおみ「喝采」、そして野口五郎の早回しのものまねで、次々と勝ち抜いて有名になってきました。
しかし、同期のとんねるずやイッセー尾形に比べ、鳴かず飛ばずが続きます。

1987年にフジテレビの「ものまね王座決定戦」で優勝して風向きが変わります。
特に美川憲一のものまねは、美川本人の人気をも復活させました。
ものまねブームになり、清水アキラらとともに「ものまね四天王」と呼ばれたのです。

その後、ブームは一段落しましたが、コロッケは毎年、舞台の座長をつとめるなど安定した人気を維持して、最近では落語など日本の伝統芸能を採り入れたものまねなどにも挑戦しています。

このように長い間ものまね芸人として、活躍できているにはわけがあります。
それは、コロッケが母親から幾度となく教えられてきた家訓のおかげなのです。

家訓は、「あせるな、おこるな、いばるな、くさるな、まけるな」です。
コロッケは、五つの言葉の頭文字をとって「あおいくま」と覚えました。

せるな
(どんな時もあせらず、我慢してチャンスをじっと待つ)

こるな
(人から嫌われたり、批判されたりしても怒らない)

ばるな
(地位や名声が高くなっても、決していばらない)

さるな
(失敗したり、上手くいかなくてもくさらず耐える)

けるな
(自分の心の弱さに、負けないようにする)

コロッケは、今もなお家訓を守り続けています。
この家訓で、コロッケはたくましさを身につけたのです。
だから多くの人から愛され続けているのです。

あおいくま」の家訓は、多くの人たちにもぜひ覚えて欲しい教えです。

2020年04月12日