勢いがある時こそ平常心 1192


中国の宋時代の話です。
ある大きな禅寺で、住職(寺の主)が、変わることになりました。

引退する住職が、新住職の座につく人物に残した言葉が、「勢いがある時に、調子に乗ったことをすると、必ず災いがある」というものだったのです。

大きな寺の住職の座につくのは、とても名誉なことです。
いくら禅僧とはいえ、そのような名誉を得られることは、非常に誇らしい気持ちにもなったのでしょう。
新住職は、「私の人生には今、勢いがある」という気持ちにも、なったのかもしれません。

「しかし、そのような時こそ、舞い上がることなく、平常心を保つことが大切だ」と、引退する住職は、述べたのです。
なぜなら、人は勢いがある時に、調子に乗ったことをやって、失敗するケースが、多いからです。

この言葉は、私たちにも参考になると思います。

会社で昇進した時、思わぬ幸福を手に入れた時、商売が成功した時など、「勢いがある時」に、調子に乗っていばったり、人に冷たくしたり、リスクの大きなことに、手を出したりすると、災いを招くことになりやすいのです。

そういう時こそ、動じず、落ち着きましょう。
いつも通りの平常心で、生きていきましょう。

2025年05月02日