
良寛和尚は、曹洞宗の托鉢僧で、師の大忍国仙や高祖道元の教えを守り、生涯寺を構えず、妻子をもたず、物質的にも無一物に徹して、清貧の思想を貫いた人でした。
その良寛和尚が、住んでいた五合庵に、ドロ棒が入った。
ドロ棒は、何かを盗もうとしたが、部屋の中には、何もなかった。
ドロ棒は、仕方なく、良寛和尚が寝ていたフトンをはぎとって、逃げていった。
冬の月が光っていた。
寒い寒い夜だった。
良寛和尚は、ガタガタ震えながら、窓の月を見た。
「ああ、よかった。窓の美しい月は、盗まれなかった」
そして、その場で「盗人に とり残されし 窓の月」と、俳句を詠む。
なんと、余裕のあることでしょう。
良寛和尚は、ゆとりの心を持っているのです。
ゆったりとした、ゆとりの心を持って生活すると、どんな意地悪をされても、相手を憎まず、許してやる気持ちが、生まれるのです。
ゆとりの心がないと、怒りが爆発します。
怒り狂えば、自分がつぶれるのです。
ゆとりの心を、持ちましょう。
ゆとりの心が、あなたの怒りと憎しみを、消すのです。
