
子どもの頃、ケンカして逃げるときに、「三十六計、逃げるにしかず!」と言って、その場から、逃げた人もいるかもしれません。
この「三十六計」とは、中国の兵法書、『兵法三十六計』のことです。
そして、この「逃げる」という戦術は、この兵法書の「最期の手」として、書かれています。
簡単にいえば、「もう勝てないと思ったら、ただちに逃げるがよい」ということです。
そのほうが、兵を無駄死にさせず、被害を最小限に、抑えることができます。
その時は逃げても、「戦力を温存し、次の戦いで、逆転勝利すればいい」と考えるわけです。
これは、現代のビジネスなどの世界にも、通じる戦術でしょう。
勢いのある企業は、赤字店をいつまでも、引きずりません。
驚くくらいあっという間に、閉店させます。
「あの店は、ただの実験だった」というくらいの引き際のよさです。
伸びる会社も、成功する人も、パッと撤退して、次の手に打って出るのです。
例えば今、理不尽な環境の中に、置かれている方が、いらっしゃるなら、逃げるという選択肢を、考えてみることは、大事なことです。
それは、人生で最終的に、勝利を得るための『積極的な逃走』なのです。
「逃げる」ことは、恥でもなんでもなく、勝利を得るための立派な作戦なのです。
はからずも「理不尽な環境」に、おちてしまったら、ヘタに解決しようとしないで、逃げるのが一番賢いのです。
だって、何しろ「理不尽」なんですから、理屈は通用しません。
一度、逃げ出して、リセットすればいいんです。
時には積極的に、逃げましょう。
じっと時を待てば、必ず次のチャンスが、巡ってくるのです。
